
超加工食品とは「原材料の原型を留めていないほどに加工し、一般家庭では絶対に入手できないような添加物で味を調え、科学的に人々を魅了するために工夫が施された加工食品」です。
UPFとは「Ultra-Processed Foods」の略。世の中にはUPFが溢れています。
ある海外の記事です。「Ultra-processed foods should be treated more like cigarettes than food – study」超加工食品が煙草のように規制されるべきだという研究が行われていました。
主な問題点は「依存性」「健康被害」にあるようです。
すごく身近で、小腹が空いたら間食として食べる機会の多い超加工食品についてまとめてみました。
「やめられない」魅力的な食感
あるスナック菓子の謳い文句「やめられない、とまらない」は有名ですが、「煙草のように規制するべきだ」と指摘されている今となっては恐ろしい謳い文句ですね。
「やめられない、とまらない」は美味しいからだけではなく、インスタントに快楽が得られるからなんですね。
サクサク食感って、なんかいいですよね。あの食感を味わうために次々と手が伸びます。
滑らかなくちどけって、なんかいいですよね。溶けきったらまた口の中に入れて溶かして、の繰り返しです。
超加工食品が我々を魅了する要因は「食感」だけではありません。
多くの超加工食品には「人工甘味料」が含まれます。人工甘味料についての論争は様々ありますが、私が今回問題とする点は「人工甘味料が甘すぎる」ということです。
人工甘味料が甘すぎると何が問題なのか
人の体は甘みを感じると「ドーパミン」が分泌されます。
ドーパミンとは脳から分泌される快楽物質です。
甘すぎる人工甘味料を摂取するとドーパミンがたくさん出て、より大きな快楽となります。
「もっと、もっと!」となるのも仕方がありませんよね。依存性がある、ということです。
甘いということは糖類が入ってきたと判断し、体はカロリーを求めますが、人工甘味料にはカロリーがありません。
「もっと、カロリーを!」と体がもっと甘いものを求めてしまう悪循環に陥ります。
超加工食品と三大栄養素
人類の活動には三大栄養素「炭水化物、脂質、たんぱく質」が必要なのは知っての通りです。人にはエネルギーが必要不可欠です。
三大栄養素の中でグラム当たりのカロリーが多いのは「脂質、炭水化物、たんぱく質」の順になります。超加工食品に含まれる栄養素はなんだか、考えてみてください。
超加工食品の代表例と共に考えてみましょう。
まずは以前取り上げたセブンのちょこまずは以前取り上げたセブンのチョコチップクッキーの原材料を見てみたかったのですが、店内調理する食品には原材料の表記が免除されているため分かりませんでした。
Geminiに質問してみて、推測される原材料はこちらです。
小麦粉、準チョコレート、バター、砂糖、卵、ブラウンシュガー、食塩/膨張剤、乳化剤、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆を含む)
店頭で調理して、その日のうちに販売するという商品であるため、いわゆるUPFらしい保存料のオンパレードとは程遠いようです。
添加物はありますが、これから紹介していくUPFたちと比べると、明らかに原材料の数が少ないです。
スナック菓子の代表「ポテトチップス」

じゃがいもの薄切りを油で揚げた最も有名なスナック菓子。一袋で炭水化物とたっぷりの脂質が摂取できます。
ここでは例として「カルビー ポテトチップス うすしお味」の原材料を見てみる。
じゃがいも(国産又はアメリカ)、植物油、食塩(海塩、岩塩)、でん粉、デキストリン / 調味料(アミノ酸等)

他のUPFと比べると添加物が少ないのですが、この調味料の中身が「とまらないやめられない」の原因になるようです。
調味料=アミノ酸=おそらくグルタミン酸≠味の素です。
グルタミン酸は純度100%の旨味成分であり、頭が即座に「うまい」と感じる成分です。それだけ快楽を感じやすい、というわけです。
滑らかなくちどけ「チョコレート」

カカオバターは良質な油の一種であるが、市場に出回っているチョコレート菓子の多くは植物油脂をココアパウダーで染めたチョコレート風菓子であることがある。また、カカオの苦さを緩和するための大量の砂糖が含まれるため、たっぷりの糖質と脂質を摂取できる。
ここでは例として「24粒ルック(ア・ラ・モード)ファミリーパック」の原材料を見てみましょう。

砂糖(国内製造又は外国製造)、植物油脂、カカオマス、全粉乳、ココアバター、還元水あめ、バナナソース、ストロベリーソース、ラズベリーソース、パインアップルソース、乳糖、脱脂粉乳、油脂加工品、酒精飲料/乳化剤(大豆由来)、トレハロース、香料(乳・大豆由来)、酸味料、着色料(野菜色素、アントシアニン、紅花黄、クチナシ)
原材料は含有量が多い順で表記されていますので、これはチョコレートというよりは砂糖を植物油脂で固めたお菓子という方が正しいようです。
バナナソース、ストロベリーソースと、一体何なんでしょうね。これもまた原材料名に潜む「ブラックボックス」です。
コンビニのパン類

コンビニのパンには添加物が多く、日持ちするように保存料が含まれています。
主な保存料は「ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル」、保存料とは書かれませんが保存料の代わりになる「しらこたん白、グリシン(アミノ酸)、ポリリジン、酢酸ナトリウム」等があります。
ここでは例として「NL ブランパン 2個入 〜乳酸菌入〜」の原材料を見てみましょう。
原材料名/ミックス粉(植物性たん白、大豆粉、米ぬか、イヌリン、オーツファイバー、オーツブラン、シトラスファイバー、エリスリトール、殺菌乳酸菌パウダー)、卵、植物油脂、パン酵母、調整豆乳、蜂蜜、ぶどう糖、小麦粉、発酵風味料、食塩、乳等を主要原料とする食品、加工でんぷん、糊料(増粘多糖類)、酢酸Na、メタリン酸Na、香料、(原材料の一部に乳成分、卵、小麦、オレンジ、大豆を含む)
酢酸ナトリウムが入っていましたね。別にこれが入っているから危険ということではありませんが、「科学で賞味期限を無理矢理延長させられている食品」と聞くと、伸びた手が引っ込みます。
また、主原料となるミックス粉ですが、「糖質に配慮した商品」というところもあって小麦粉が含まれていませんね。ただ安全である安全でない以前に、組み合わせている原材料が多すぎるのでどう見ても超加工食品と言えるでしょう。
カップ麵
カップヌードルはもちろん、高たんぱくになったカップヌードルProも優秀なUPFに分類されます。ここでは「シーフードヌードルプロ」を例にします。

まず麺は11種類の原材料から構成されていた。
油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、植物性たん白、食塩、しょうゆ、サイリウム種皮粉末、たん白加水分解物、ガーリック調味料、チキン調味料、香味調味料、卵粉)
ちなみに普通のシーフードヌードルだと6種類だった。
油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料)
原材料欄の「/」の後は添加物が並べられているのだが、それがこれだ。
加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸エステル)、香料、炭酸Ca、かんすい、香辛料抽出物、pH調整剤、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、カラメル色素、乳化剤、炭酸Mg、ビタミンB2、チャ抽出物、ビタミンB1、(一部にかに・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)
どこかで聞いたことがあるような添加物のオンパレードである。
このように、一見すると「高たんぱく、低糖質、塩分控えめ」といったように健康志向を騙った商品もふたを開けてみれば極度のUPFであることがある。
「食事、気を付けてます」という人も意外と盲点かもしれないから見てほしい。
プロテイン

健康のための超加工食品の代表格です。他のものと違って低炭水化物、低脂質で高たんぱくですが、「原材料の原型を留めていない」食品であることに変わりはありません。パパっとたんぱく質が摂取できて良いのですが、多くのプロテインには人工甘味料が含まれており、甘すぎによる問題が出てきます。
超加工されて咀嚼の必要がないため、満腹感が得られないのも問題かもしれません。
ここでは例として私が愛飲している「X-PLOSION WPCホエイプロテイン(バニラ味)」の栄養素を見てみましょう。
原材料名:乳清たんぱく(乳成分を含む)、マルトデキストリン、乳等を主要原料とする食品、コラーゲンペプチド(豚皮由来ゼラチン)/乳化剤(大豆由来)、香料、甘味料(スクラロース、ステビア)
「乳等を主要原料とする食品」とはブラックボックスのようなもので、乳を主原料に工業的に作られたいくつかの添加物から成る原材料です。
「細かいことは省くけど、主原料は乳製品だよ」ということです。
完全メシ

ここでは代表例として「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」を参考にしています。
三大栄養素が含まれ、栄養素も全て入っています。しかし原材料を見てください。
ライス(米(国産)、食物繊維、コラーゲンペプチド、乳化油脂、食塩)
米が、米じゃありません。米がすでに加工食品です。
さらに原材料の後半を見てみると、たくさんの栄養素が間に合わせのように添加されています。
リン酸塩(Na)、塩化K、トレハロース、乳化剤、香料、酸味料、トリプトファン、V.C、イソロイシン、酸化防止剤(V.E)、V.E、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ナイアシン、ピロリン酸鉄、V.B6、パントテン酸Ca、V.B1、香辛料抽出物、V.B2、くん液、V.A、葉酸、V.D、V.B12
極度の超加工食品であると言えるでしょう。
超加工食品は規制するべきなのか
超加工食品についてまとめると以下のようになります。
- 甘すぎる人工甘味料により依存性が危惧される。
- 脂質過多、糖類過多が危惧される。
- 栄養バランスの偏りが危惧される。
- 本当に安全なのか分からない添加物を大量に摂取してしまう。
当ブログのタイトルの通り、「食事は人生の8割」を占める大切な要素です。超加工食品でお腹を満たして栄養バランスが乱れていいことなんてありません。
煙草が体に悪いことは、周知の事実ですが、超加工食品が煙草ほど悪いものなんて、ちょっと信じられませんよね。ただ、なんとなく体に悪そうなのはお判りいただけたかと思います。
ただ、私の結論は「超加工食品は規制するべきだ」ではありません。
人類が編み出したこの「賞味期限が極めて長い食料」を活かせる場面があるではありませんか。
そう、最近流行りの備蓄です。
超加工食品は賞味期限が長く、長期保存に向いているため、最近流行りの「備蓄」と相性がとてもよい。緊急時にはいわゆる「健康的な」原型を留めている食材は日持ちしないので困る。
UPFを煙草のように規制するべきだという意見も分かるが、科学技術の結晶であるUPFは緊急事態に備える備蓄にこそ活かされるべきなのではないだろうか。

